鳥谷よ、今年は30発&3番固定だ!

 阪神真弓明信監督(57)が5日、選手会長・鳥谷敬内野手(29)に2つのノルマを課した。キャンプ初のランチ特打を行い、92スイングで13本の柵越えを数えた。気持ちよく打つことを目的に、昨年までの公式球を使用。右方向に力強い打球を連発した。「しっかりと振ることしか考えていなかった。ケガなく、順調に来ている」と振り返った。

 プロ7年目の昨年に、初めて打率3割を超えた。104打点を挙げて、勝負強い打撃も見せた。それを踏まえて、指揮官はさらに注文をつけた。「今年は間違いなく3割打ってくれる。もう少しホームランを増やしていい。30本いけるでしょう」。19本からの大幅増を求めた。

 長打力アップの秘訣(ひけつ)は、スマートな印象を覆すことだ。真弓監督は昨年までの鳥谷をこう評した。「初球からヒットを狙うケースが多いが、追い込まれてからもヒットを打てる。強引にホームランを狙っていい打席もある」。1発狙いの打撃を容認する姿勢だ。

 もうひとつのノルマは3番定着。不調時にリフレッシュの意味も兼ねて、マートンと1、3番を入れ替えることが複数回あったが、今年は「3番!」と断言した。「調子の悪い時期が長い。苦手な投手に当たった後、後遺症がある」。スランプの短期脱出が固定の鍵を握る。

 鳥谷自身も指揮官のミッションに応える決意だ。「本塁打を狙って打つ打者じゃないが、チームとして1本でも打てればいい。そのためにしっかりと振り込んでいかないと」。この日は居残りのマシン打撃も含め、387スイングと振りまくった。さらにスケールアップした姿が見られそうだ。

 [2011年2月6日11時14分

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