これで1軍残留当確だ。オリックスのドラフト5位深江真登外野手(23=関西独立L・明石)が21日、1安打2盗塁で生き残りを猛アピールした。四球を選んだ1回は盗塁を決め、5回は同点適時打。大卒後に野手に転向し、まだ2年目。俊足が自慢の原石がここまま1軍キャンプに帯同し、開幕を狙う。

 おう、掘り出しもんよ。新人深江の2盗塁に岡田監督もご機嫌だ。初回に3年連続2ケタ勝利のヤクルト館山、5回は同じ新人の七条からスチールを決めた。50メートル走5秒65の足で二塁を陥れる姿にうなずいた。

 「三塁(ベンチ)から見てて、でかいリードしよる。今日の投手はけん制うまかったしな。あれでアウトならんしな」。

 5回はたたきつける打撃で、三塁頭上をワンバウンドで越える同点適時打。指揮官は「ああいうのをせなアカン選手や」と評価し「最後(8回)初球、フライ打ってたらアカン」と愛情たっぷりに課題も与えた。

 走るために累に出る。キャンプ中、新井2軍監督に「短いバットは合わない」と指摘され、長さ33インチの相棒と決別。33・25インチの坪井、35インチの森山のバットを譲り受け、この日はヤクルト青木モデルもゲット。試合前練習で試し打ちした。

 「早く自分に合うものを見つけたい」。

 そもそも龍谷大までは投手だった。右肘痛の影響で公式戦登板ゼロ。それでもプロの夢をあきらめず、野手として関西独立リーグのトライアウトを受け、望みをつなぎ、昨秋のドラフト5位で指名された。契約金500万円と育成枠に近い扱いにも「早く1軍に上がりたい」と、貪欲さなら新人1位だ。

 岡田監督は当初の予定を変更し、高知1軍キャンプにも帯同させる方針だ。

 「深江なんかは終盤、代走で出てきてもええな」。盗塁のスペシャリスト枠として「ドラ5」の名前が浮上してきた。【押谷謙爾】

 [2011年2月22日11時53分

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