楽天片山博視投手(23)が開幕ローテ入りの競争に踏みとどまった。24日、ヤクルトとの練習試合(浦添)に先発。5回を2失点にまとめた。当初先発予定がなく中3日の登板だったが、被安打4で相手に的を絞らせなかった。貴重な左腕が先発枠の狭き門にチャレンジする。

 5回2失点にまとめても、片山の第一声は「良かったり悪かったり。反省します。2失点目の四球、四球が…」と自己採点は辛かった。20日の巨人戦で3イニングを投げたばかり。チーム事情で回ってきた先発チャンスだった。意気込んでいただけに、自分へのハードルも高かった。

 昨季セットアッパーとして定着。今季は先発ローテ入りに挑戦している。身長191センチの大型左腕だが、技巧派に分類される。直球はいわゆる「汚い真っすぐ」。打者の手元でナチュラルカットする時もあれば、ツーシーム気味に沈む時もある。そこに大きな軌道のスライダー、カーブをまぶしていく。変化球で簡単にカウントを稼ぐ技術が飛躍の源だったが、この日もヤクルト打線相手に初球ストライクを重ね、自分の土俵で勝負はできた。

 課題はペース配分だ。「球数が増えて、4回くらいから疲れが出てしまいました」と身に染みて分かった。だが片山は身体能力が非常に高く、特に持久走ではチーム上位の常連。感覚をつかめばクリアできる。先発陣は右腕偏重の傾向があり、球に力のある長谷部はショートイニングの適性をテスト中。やりがいあるチャレンジが続く。【宮下敬至】

 [2011年2月25日11時23分

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