投手陣も極妻流?

 阪神真弓明信監督(57)が生き残りをかける若手投手に「ケンカ投法」を厳命した。24日に紅白戦を行い、両軍あわせて3安打だけ。公式統一球の影響で攻撃力の低下は確実。指揮官は「投手は大胆な攻めができる。勇気をもっていい」と強気な姿勢を求めた。逃げたらいかんぜよ!

 何度も失速する打球を見て、指揮官はあることに思いを巡らせていた。紅白戦は主力クラスの打者が出場したにもかかわらず、両軍合わせて10イニング、たったの3安打で得点はないまま。今季から導入される統一球の影響は明らかだった。攻撃力の低下に注目が集まる中、真弓監督は別の角度から感想をもらした。

 「守る方で、ホームランが減るということで、投手は大胆な攻めができる。勇気をもっていい」。

 強気の姿勢でマウンドに立て-、いわゆる「ケンカ投法」を投手陣に求めた。

 印象的だったのは5回のブラゼルの打席だ。センター方向に、勢いよく飛び出したが、すぐに失速。ほぼ定位置で中堅手のグラブに収まった。昨年なら間違いなくフェンスを越えていた当たりだ。

 「いい当たりをしても、抜けない。今日なんかでも、打った瞬間、行ったかなという打球はあった」。

 昨年まで投手陣は球場によって意識を変える必要があった。浜風が吹く甲子園は右翼への本塁打は少ない。逆に狭い東京ドームでは、飛距離の出るボールの影響もあり、こすった打球でもスタンドインすることがあった。

 「甲子園でやるのと東京ドームでやるのでは違ったが、今年は投手が変われる」。

 いかに早く意識を変えて、マウンドに立てるか。これが自らの成績を伸ばす要因になるはずだ。「これから相手と試合をするので、どういう投球をするか」。今後、開幕1軍メンバーを見極めるポイントとして、ケンカ投法できるかが鍵を握ることになる。手始めとなるのが、あす26日からのオリックス2連戦。榎田や小嶋ら飛躍が期待される投手が登板する予定。前任者の岡田監督率いる敵チームに、強気の投球ができるか。1軍に残りたければ、ケンカしてこい。【田口真一郎】

 [2011年2月25日10時53分

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