<中日3-3阪神>◇1日◇ナゴヤドーム

 10年一昔というけど、15年ですよ、15年。バイプレーヤー阪神関本賢太郎内野手(33)が真弓監督の打線改造で新4番に座った。プロ15年目、987試合目で初の主砲。7回に反撃開始の適時打を放ち、きっちり役目を果たしました。何でもありの阪神版「予測不能打線」。何でもこなせる男が、首位追撃オーダーのカギを握る。

 4番

 サード…、ここまで静かだったナゴヤドームは一気に驚きの声に包まれた。新井の三塁復帰を予想した阪神ファンも「関本」の名に不意を突かれた。

 試合前のミーティング。関本自身同じ気持ちだった。「『マジでっ!?』って思いました」。プロ入り15年目の生え抜きは、攻守に渡ってユーティリティープレーヤーとして存在感を示してきた。前日8月31日には、新井に代わって4年ぶりに三塁手で先発。そして、プロ通算987試合目にして初の4番に座り、チームの看板を背負った。

 「ヒットにならなくても、ランナーを進められるように意識していました。抜けてくれて良かったです」

 「4番らしさ」を見せたのは7回だ。鳥谷の二塁打で無死二塁。1ボール1ストライクから、ソトの外角チェンジアップをコンパクトにセンター返し。これまで得点圏打率1割6分7厘と低迷していたが、大抜てきの要因はここ一番の勝負強さ。8月23日巨人戦(東京ドーム)以来の打点は、反撃ののろしを上げる号砲になった。

 経験十分な関本が、試合後には初めての感覚に襲われていた。2打数1安打1打点で、2四球を選んだ。期待に結果で応えながら、関本の顔は少しこわばったままだった。

 「(4番の)イメージもないし、打ち方も変わらない。何も変わらない。でも、しんどかったです。新井さんの大変さがよくわかりました」

 ブラゼルの離脱、新井の不振…。もう、「縁の下の力持ち」ではいられない。和製大砲として期待をかけられた入団当時から、気がつけばもう15年。あらゆる要因が重なって誕生した「4番サード」が、その名に恥じない輝きを放った。【鎌田真一郎】