阪神平野恵一内野手(32)に奇跡のメッセージが届いた。コンベンションが行われた1日朝、携帯電話にメール着信があった。送信者は「渡辺長助さん」。6月28日に遠征先の富山で心筋梗塞のため急死したチーフスコアラーからだった。

 メールを開くと「おめでとう。これからも頑張れよ」。渡辺さんの夫人による、晴れの日の計らいと気付いた。同スコアラーを慕っていた平野は涙を流しながら「お父さん、ありがとう。これからも天国で見守って。来年は一緒に優勝しよう」と返信。夢のような会話を楽しんだ。

 二塁手で2年連続ベストナイン、ゴールデングラブ賞を獲得。オリックスから08年に阪神に移籍し、球界を代表する名手に成長した。その陰にはいつも相談に乗ってくれる渡辺さんとの二人三脚があった。

 「本当にうれしい1日になりました。いざ会場に来るとそうそうたるメンバーがいて、うれしさが倍増です。でも、今年はチームが4位になってしまったので、やっぱり優勝したかった」。亡き恩師からの祝福メッセージを胸に、優勝目指して全力プレーで挑む。