<オープン戦:日本ハム2-2巨人>◇6日◇札幌ドーム

 日本ハムのドラフト1位大谷翔平投手(18=花巻東)がホロ苦の本拠地打者デビューをした。6回無死からDHの代打で二ゴロ。続く7回2死満塁の好機も三邪飛、9回2死一塁での3打席目は、空振りの三振に倒れて3打数無安打に終わった。試合前のフリー打撃では、50スイング中7本の柵越えも、試合で結果を出せなかった。

 大谷は主役にはなれなかった。9回、同点に追いつきなお2死一塁。長打が出ればサヨナラという好機でまわってきたが、田原誠の115キロシンカーにバットは空を切った。「タイミングも違ったし、振らされてしまいました。まだまだ力が足りないなと思いました。結果が出ないときもあるので、切り替えてやりたいと思います」と前を向いた。本拠地デビュー戦は3打数無安打。最後の打者となって、終わった。

 3度の凡退は、中身が詰まっていた。初めてプレーした札幌ドーム。「あれだけ声援を受けたことはなかったので、うれしかったです」と、雰囲気を感じられたことだけで収穫だった。6回の二ゴロは「捉えたと思ったけど、ちょっと差し込まれた」。7回の三邪飛は「芯だったけど、ちょっと(ボールの)下だった」と振り返った。わずかな差が、結果を大きく変えた。「高校だったら打てていたと思う。感覚の差を埋めていきたいです」と1軍レベルを肌で感じた。

 試合前にはブルペンで58球を投げ込んだ。これまでとは順番を入れ替え、打撃練習を先に行ってからの投球練習。栗山監督が「あえて逆パターン。逆でも、できないと」と言うように、さまざまな練習パターンを試し、一番いい形を模索している。大谷も「どっちが先でもつくれるようにしたい」と力強かった。

 今日7日にはチームを離れ、再び2軍に合流する。10日の教育リーグ・ヤクルト戦には、投手としての実戦デビューも待っている。「もっと力をつけて札幌に帰ってきたいです」。ここで暴れ回るのは、少し先まで取っておく。【本間翼】