<パCSファーストステージ:西武1-11ロッテ>◇第1戦◇12日◇西武ドーム

 西武はエース岸孝之投手(28)に託した初戦を取れず崖っぷちに立たされた。コントロールが甘く1回から失点を重ねた。先発投手の責任回数である5回まで続投させたが5失点と主導権を渡してしまった。シーズン終了を自身9連勝で飾ったエースに懸けた結果だった。渡辺監督は「ある程度、岸に投げてもらうつもりだった」と説明。指揮官の期待に応えられず、岸は「何してるんだろうなと。何を言っても僕の責任です」と背負った。

 レギュラーシーズンを8連勝で締めくくって2位の座をつかんだ。継投で接戦を制する戦い方だった。一瞬のプレーが流れを変える短期決戦に向け、当然、渡辺監督も継投は計算にあったが、岸への信頼を選んだ。今季は開幕投手を任せ、「お前が引っ張れ」とメッセージ。その期待に応え、終盤の快進撃を支えた。08年の日本シリーズでMVPを獲得したように、ポストシーズンを勝ち抜く上で、岸のフル回転は不可欠。そんな思いも込めたのだろう。

 リリーフ陣も流れを止められなかった。8回には打者一巡の猛攻で8月22日のロッテ戦以来となる2ケタ失点。攻撃陣も中村のソロ本塁打のみで予想外の大敗。今日13日の先発は状態の良さを評価され、抜てきされた岡本洋。渡辺監督は「泣いても笑っても負ければ終わり。明日、やり返すつもりでやる」と語気を強めた。崖っぷちの4位から勝ち上がったよう、ここからはい上がる。【久保賢吾】