ミスタータイガースは「打撃育成コーディネーター」-。阪神南球団社長は16日、打力アップの切り札として、今秋のキャンプから打撃指導にあたる掛布雅之氏(58=野球評論家)の肩書について私案を明かした。

 「アドバイザーというと軽いし、打撃育成コーディネーターというのはどうかなと考えています。メジャーにもそういう肩書があるらしいので」

 前日、大阪市内のホテルで正式に入閣要請を行った南社長は掛布氏に期待する役割を「ファーム中心」としながらも、線引きはしない考えを示した。2軍で指導した選手が1軍に昇格した場合は掛布氏も同様に1軍に同行するという。

 「長年の課題であるクリーンアップを打てる生え抜きを育てて欲しいということ。監督との間にGMに入ってもらい、GMの指示によって選手の指導をしてもらう。指導したからすぐ打てるというものではない。長い目で考えている」

 また、和田監督は“勝負強さ”の伝授を求めた。電鉄本社で行われたオーナー報告の後、こう話した。

 「(今季)チーム打率は極端に低いわけではなかったのに得点につながらなかった。そういう部分で、チャンスでの心構えだったり配球だったりを含めて、掛布さんの持っている全てを出してもらって、選手に伝えてもらいたい」

 リーグ5位に終わった得点数改善のため、技術だけでなく、チャンスでの心構えも掛布流を取り入れる。

 「いずれにしても、1度はお会いさせてもらわないといけない」

 和田監督は近日中の直接会談も示唆した。フロント、現場ともに、ミスター・タイガースへの期待がふくらんでいる。【鈴木忠平】