「サンデー勇士」の誕生?

 だ。ロッテ西野勇士投手(22)が12日、QVCマリンで契約更改を行い、今季の6倍となる年俸2640万円(金額は推定)でサインした。背番号も「67」から、過去に「マサカリ投法」で知られる村田兆治氏(64)らが背負った「29」への変更が決定。「長い期間ロッテを支えた方々がつけたすごい番号。僕もチームを支えられる選手に」と笑顔で話した。

 変更は前任者の“ご指名”。今季まで「29」をつけた小野晋吾氏(38=現スカウト)の引退会見直前。埼玉・浦和の2軍施設で「お前が一番ふさわしい。29をつけてほしい」と打診された。西野は支配下登録1年目の今季、育成出身初の初先発勝利からチーム最多の9勝と大ブレーク。未来のエース候補として見初められた。

 まだ早いという思いもあった。それでも「晋吾さんの思いに応えたかった」。交渉の席で球団から背番号の話題を振られると、自らつけたいと申し入れた。1年前は、同僚の育成メンバーが次々と解雇され戦々恐々としていた。「崖っぷち」から想像もできなかったステップアップを遂げた。

 「去年だけだったと言われないよう、来年こそ2ケタ勝利」と目標は明確。サンデー兆治、サンデー晋吾に続くサンデー伝説の後継者候補は「土日の方がお客さんも多いし、勝ったら楽しいですよね」とまんざらでもない。年俸500%増は、球団史上最高の昇給率となった。年内の自動車運転免許取得を目指しており、昇給分は新車代になりそうだが「僕は契約金をもらってないので、あとは貯金したい」。大出世にも、庶民派右腕の答えは素朴なままだった。【鎌田良美】

 ▼ロッテ西野が440万円から500%アップの2640万円で契約更改。昇給率500%は史上8位。ロッテでは95年榎康弘投手の377%(440万円→2100万円)を上回る球団史上最高で、今オフの契約更改でも岡田俊哉(中日)の417%(580万円→3000万円)を上回る12球団最高となった。