阪神鶴直人投手(26)が結婚したことが26日、分かった。お相手は元会社員の尚美さん(24=岡山市在住の会社員・小橋勝行さんの次女)で、5日に婚姻届を出していた。10年5月に知人の紹介で知り合って一目ぼれ。3年6カ月の交際をへて、晴れて生涯の伴侶を得た。昨季はセットアッパーとして大車輪の働きを見せたが、今年は1軍に定着できず。挙式は来オフの予定。来季の開幕ローテーション入り、先発での活躍こそ花嫁へのプレゼントだ。

 クリスマスの余韻が残るなか、1つの愛が結実していた。阪神期待の若手の鶴が結婚していた。一世一代の告白は昨年12月27日だった。大阪・梅田の夜景を一望できるイタリアンレストラン。マウンドでは表情を変えない男も手に汗を握っていた。やがて、ケーキが運ばれてくる。プレートには「僕と結婚してください!」と書かれていた。サプライズのプロポーズ。尚美さんの瞳からは、涙があふれ出た。

 鶴は「自分のためでもあるけど、何よりも喜ばせてあげたい。家庭を持つとは、そういうことだと思います。家のことを含めて、野球にとても集中できます。支えてもらっています」と言う。尚美さんが台所に立ち、レシピ本を見ながら料理する姿を見ていた。甲子園での登板試合に招待したこともある。温かく愛を育み、いつしか、かけがえのないパートナーになっていた。12月1日から兵庫県内で同居を開始。5日に婚姻届を提出した。

 1歩ずつ、ゆっくりと歩んだ道のりだった。出会いは10年5月。知人の紹介で2歳年下の尚美さんと知り合った。目鼻立ちがくっきりとした美人を見るなり、鶴はほれた。「笑顔がめちゃくちゃかわいくて、ひかれましたね。『あっ、この子やな』と。僕も、やっと1軍で出始めた時期。最初から和気あいあい、雰囲気が一致しました」。奮起した鶴は5月29日の日本ハム戦(札幌ドーム)でプロ初勝利。直後の6月5日から堂々と交際スタートだ。

 1軍での登板が増えてからは、いつも尚美さんが隣にいた。交際中、ケンカは1度もないという。お互いにMr.Childrenが好きで、車のなかでCDを流しては盛りあがる。共通の趣味はゴルフだ。「釣りに連れて行ったり、買い物に行ったり」と鶴は笑う。そんな日常は、マウンドでしのぎを削る鶴にとって大きな心の支えになった。尚美さんも「野球を一生懸命、やっていますし、私が少しでも助けになれればと思っています」と話す。

 昨季はセットアッパーとして1軍にフル参戦したが、今年は20試合登板にとどまり、2軍暮らしも長かった。それだけに「絶対にやらないといけない。先発を狙っていきたい」と巻き返しに燃える。先発陣は駒不足で秋山、白仁田らと激しく争う。開幕ローテーション入り、そして、先発での活躍こそが目標になる。

 挙式は来オフの予定。胸を張ってタキシードを着るためにも、全身全霊を尽くす。

 ◆鶴直人(つる・なおと)1987年(昭62)4月25日、大阪府生まれ。近大付では「なにわの四天王」と称された逸材で、大阪桐蔭・辻内(前巨人)や平田(中日)らとともに脚光を浴びた。05年高校生ドラフト1巡目で阪神に入団。10年5月29日・日本ハム戦で挙げたプロ初勝利はダルビッシュ(現レンジャーズ)に投げ勝ったもの。昨季は43試合に登板して、防御率1・89の好成績を収めた。通算91試合6勝7敗、防御率3・68。180センチ、77キロ。右投げ左打ち。来季推定年俸1700万円。