<中日0-6日本ハム>◇8日◇ナゴヤドーム

 日本ハム中田翔内野手(25)が、初の本塁打キングへ再び加速し始めた。5点リードの7回2死。ダメを押した。左中間スタンドへチームトップタイの11号ソロをぶち込んだ。「しっかりと反応できた」。変化球狙いで待ちながら、中日岩田の135キロ直球を完璧にとらえた。試合終盤の入り口。逆転ムードを高めるため、3者凡退で終えたい相手の思惑を吹き飛ばした。

 有言実行のアーチだ。「1本出れば、今までの流れでバンバン出る」。3日広島戦(札幌ドーム)で19試合、80打席ぶりの10号3ランを放つ前日2日に言い放った。今回は2試合、10打席ぶり。「打った瞬間の手応えもあった」。苦悩を抜け、取り戻した本塁打の感覚は本物だった。

 下半身のコンディション不良を抱えている。悪化させないため、グラウンド外では細心の注意を払う。試合後、チームバスに乗り込む前。遠回りした。バスが停車する駐車場へ向かう際にある5段の、やや急な階段を避けた。少しでも下半身に負担をかけまいと、あえて緩やかな下りのスロープを利用。「調子どうこうより、しっかり振れている。そこだけ」。チームを勝利に導くアーチ量産へ-。自覚十分だ。【木下大輔】