<日本ハム5-1ソフトバンク>◇13日◇札幌ドーム

 ソフトバンク東浜巨投手(24)は1発に泣いた。0-1の4回2死三塁。陽岱鋼に直球を4球続けてカウント2-2でさらに直球勝負。内角低めで詰まらせる狙いながら、真ん中に入れば見逃してもらえない。勝敗を分ける2ランを左中間へ運ばれた。「うまく拾われてしまった。失投です。負けはそこがすべて」。1回、外角スライダーを右前打された残像もあり、裏をかいたが力負け。6回3失点で今季初黒星となった。

 ただ、2ランの直前に1軍では最速の148キロを計測。140キロ前後の昨年より球に強さが宿っている。「まだ状態は上がってくると思う」。手応えを裏付けるのは継続する筋力強化。頭には昨年3月の新人研修で聞いた「鉄人」の言葉がある。金本知憲氏が講師だった。

 「ごりごり、ごしごしやった選手が報われる世界。使ってもらえるよう力をつけたらいい。簡単に力はつかないです。ふて腐る前に見返してやろうという気持ちがほしい」

 当時から東浜は「目的意識を持ち、何が足りないか考えて動くことが大切ですね」と言い続ける。継続の成果は150キロへの接近で感じている。4回の投げ急ぎを分析し、5、6回はゆったりしたテンポで無失点と修正能力も示した。投げるたび力をつけていく東浜がいる。【押谷謙爾】