英才教育第2弾は2軍での再強化だ。楽天大久保博元監督(48)は9日、ドラフト1位安楽智大投手(18=済美)を久米島に残し、2軍に合流させる方針を明らかにした。1軍が13日に沖縄・金武に移動する前の11日に投手コーチを中心に話し合い最終決定する。

 大久保監督は「ダメだから置いていくんじゃないからね」と前置きした上でプランを説明した。「開幕1軍、2ケタ勝利を目指すなら残るべきとオレ的には思う。向こう(1軍)に行くと大人のスケジュールになるからプラスにはならない。時間が足りない。英才教育の中ではそうした方がいい」と言う。沖縄本島では対外試合が中心となり、投げ込みなど鍛える時間が少なくなるのが理由だ。

 まず12日までのキャンプでは1軍を経験させる。狙いは言動などの野球以外にもあった。「1軍の中で振るまいができなかった。2日続けてあいさつができないこともあった。まだ子供だよ」と、行動面での成長も促す。

 安楽はこの日、5度目のブルペン入りをし、捕手が中腰の状態で12球投げた後、座らせた状態で67球を投げ込んだ。しかし制球はばらつき、シュート回転して抜けるボールも多かった。「最悪でした。見ていただいた通り今日が一番悪かったです」とだけ答え、硬い表情で引き揚げた。

 高村投手コーチは1、2軍の振り分けについて「監督としっかり話します。実戦のメドはまだ立っていません」と答えるにとどめた。急がば回れ。それもまた英才教育のひとつだ。【矢後洋一】