<全日本大学選手権:富士大5-3福岡大>◇13日◇2回戦◇東京ドーム

 富士大(北東北)は福岡大(九州6大学)に逆転勝ちし、2年ぶりの8強入りを果たした。

 富士大が、またしても奇襲に打って出た。公式戦はおろか、主力のオープン戦でも投げたことがない西村拓真(1年=北海道・北海)が先発マウンドに上がった。1回戦の先発も、今春リーグ戦で登板がなかった吉田将太(2年=北海道・鵡川)だった。ただでさえ、対戦相手の情報が乏しい全国大会。青木久典監督(40)は2試合連続で、調子の良い道産子右腕に託した。

 西村は、130キロ台中盤の直球と縦に割れるカーブのコンビネーションで、2回を無失点。だが3回、3四死球で2死満塁のピンチを招く。三塁の山川穂高内野手(4年=沖縄・中部商)が一塁へ悪送球し、その間に二者が生還した。3回にも味方の失策で失点して0-3とされたが、自責点は0。4回途中まで踏ん張った。

 打線も応えた。5回だ。2番大出篤内野手(4年=宇都宮工)の2点適時打で2-3と迫り、なおも2死二、三塁。3番外崎修汰内野手(3年=青森・弘前実)が内角直球をうまくさばき、三塁線を破る2点適時打を放った。4-3。すでに2年生で大学日本代表候補入りしている左腕、唐仁原志貴(宮崎・小林)をこの回でKOした。

 7回途中からは、1回戦で完投した吉田が救援登板。1死二、三塁のピンチをしのぐと、9回まで投げきった。9回にも1点を奪って5-3で逆転勝ちした。今日14日の準々決勝は、明大(東京6大学)と激突する。