<九州6大学野球:福岡大7-5西南大>◇1日◇春日

 福岡大がリーグ最終戦で西南大を振り切り、3季連続53度目の優勝を飾った。負ければ西南大、北九大との三つどもえの優勝決定戦になる1戦。4回に北野貴昭内野手(2年=飯塚)が右中間に2点を勝ち越す決勝二塁打を放った。福岡大は10日開幕の全日本大学野球選手権に出場。神宮の開幕ゲームで富士大(北東北大学)と対戦する。

 右中間を抜ける北野の打球が、福岡大に生気を取り戻させた。2点を勝ち越し、三塁ベース上でガッツポーズ。「不吉だなと思っていた。向こうに流れが行きかけていた」。

 直前の守りだった。3回2死二、三塁。平凡な三塁ゴロで送球を受けた一塁手のミットを白球が通過した。球の勢いでミットのヒモが切れてしまった。予想外の失策で同点に追いつかれたムードを拭った。

 昨秋まで精神的柱だった梅野(現阪神)が抜けた。樋口修二監督は「今年は一番きつい優勝だった。できあがったチームではなかった」と話す。新たな柱になったのが、遊撃の北野と二塁中野聡輔(4年=広島商)だった。春日大生捕手(1年=東福岡)にアドバイスし続けて正捕手に育て、2人がチームのまとめ役となった。

 昨年12月に福岡市西区に新球場が誕生したことも大きかった。それまでは練習場を転々としていただけに、練習に集中できる環境が整った。人工芝も広さも神宮と同じ規模で造られている。春の神宮には5年連続での出場。神宮仕様で鍛えられた初めてのチームが、予習バッチリで大暴れする。【石橋隆雄】