楽天福盛和男投手(33)が、史上最高アップ率をゲットした。17日、Kスタ宮城の球団事務所で契約更改交渉に臨み、5000万円でサインした。会見では「今年は実は440万円だったので、すごい上がったんじゃないですか、アップ率は」と、今季年俸が野球協約が定める参稼報酬の最低額だったことを明かした。4560万円アップの5000万円は、アップ率では約1036%増。95年のイチロー(当時オリックス)の900%増を抜き、史上最高アップ率に躍り出た。

 もっとも、今季はシーズン途中にレンジャーズを退団し、6月23日に楽天入り。シーズン半ばとあって、福盛は今季年俸よりも来季の条件を重視。今季の結果で、自動的に来季の契約内容が決まるという変則契約を結んでいた。「もう決まっていたので、ハンコを押すしかなかったです」と、昇給にも感激はなかった。むしろ、レンジャーズでの今季年俸は150万ドルだったこともあり「100万ドルダウンですね」と、ややこしい話に苦笑いした。

 CS第2ステージでは日本ハム・スレッジにサヨナラ逆転満塁本塁打を浴びる衝撃的な役割を演じたが、シーズンの被本塁打率0・40は、チームでトップ。7勝10セーブをマークし、チームの2位躍進の原動力だった。「若い選手と一致団結できた。アメリカから帰ってきましたが、自分ではいい決断だったなと思っています」と激動の1年を振り返る。新守護神候補にはフアン・モリーヨ投手(26=ツインズ)が加入したが「毎年、競争ですから」と抑えを譲る気は、さらさらない。(金額は推定)【金子航】