1勝2敗で最終戦のオーストラリア戦を迎えたチェコは、序盤で奮闘するも終盤で力尽き、1次ラウンド敗退が決まった。神経科医のパペル・ハジム監督は試合後、日の丸に「必勝」と書かれた鉢巻きを頭に巻いて会見に登場した。

◆ハジム監督の試合後一問一答

-試合を終えての感想は。鉢巻きの意味は何か

負けて気分がいい監督はいないが、選手達を誇りに思う。ヒットは8本ずつだった。6回まではオーストラリアに互角だった。信じられない。鉢巻きは、日本がどれだけ支援してくれたかの気持ちの表れ。3年後に日本に戻ってくることを夢見ている。

-WBCはどんな大会だったか

もちろん2次ラウンドに進めれば素晴らしかったが、1次ラウンドでも選手を誇りに思う。韓国や日本、オーストラリアと死闘を繰り広げた。球数制限がなければ、勝っていたかもしれない。

-次回大会への思いとチェコの野球界の発展について

これからは欧州選手権でメダルを取りたい。それが第1歩となる。次回のWBCにもぜひ出たい。

-大谷翔平は野球が盛んでない地域にも野球の楽しさを伝えられるか

大谷に限らず、日本は本当にいい選手が多い。佐々木朗希は死球のおわびにお菓子を持ってきてくれた。大谷の笑顔を楽しんでいる。

-投手交代について。2番手以降が打たれたが

球数制限がなければ3-1で勝っていたかも(笑い)。本当は2点以上取られたくなかった。2次ラウンド(準々決勝の意味)にすごく出たかったので。重要な大会を任せている投手を出したし、若いコバラにも経験を積ませたかった。

--8回のピンチで前進守備を敷かなかった。3失点までなら、勝てば準々決勝進出の可能性があったが

8、9回については頭が混乱していて説明できない。チャンスを生かし切れなかった。

-試合後にオーストラリアのベンチを訪ねて、ニルソン監督と何か言葉をかわしていたが

オーストラリアに「おめでとう」と言った。2次ラウンドに初めて進んだので。

-チェコ生まれの選手が多いが

素晴らしい育成プログラムができた。他国の模範になる。世界の野球は、ヨーロッパやアフリカにも広げるべき。野球の振興に寄与したい。

-粘り強さの秘訣(ひけつ)は

25年前に指導者になった。U12、15、23の育成プログラムで選手に接してきた。性格、粘り強い選手を集めた。ジーマ、チェルベンかいう素晴らしいリーダーもいる。

-佐々木朗希投手が持って来たお菓子は力になったか

本当にスポーツは戦争ではない。日本全体にありがとうと言いたい。

-WBC、大谷翔平について

WBCで3月にこんなに素晴らしい野球ができるとは。日本にはリスペクトしかない。新しいベーブ・ルースは大谷だと思う。

-日本のNPBでプレーを希望する選手はいるか

日本でプレーできれば素晴らしいと思っている選手はいる。もっと野球が日本とチェコで盛り上がればと思う。ありがとう。WIN、WIN、WIN。