<WBC日本代表合宿>◇第4日◇18日◇宮崎

 WBC日本代表候補の沢村拓一投手(24)が、WBC本大会に向け、2つの“魔球”を本格解禁する。直球、スライダー、カーブ、フォークが主体だったが、昨季の日本シリーズで披露したツーシームも実戦で使えるレベルに完成。「実戦で使わないなら、練習なんてしません」と自信を見せ、さらに「今年はカットボールも投げます」とダブルの宝刀を用意する。

 この日のブルペンで、沢村の「ツーシームいきます」の声を聞き、隣でボールを受ける阿部は、打席に立つ中谷ブルペン捕手に「覚悟してくださいよ」とポツリ。ホームベース上で浮き上がるように、ミットに収まった。ボールを受けた炭谷は「右打者は恐怖。真っすぐと同じスピードで、手元でグッとホップしてくる」と驚きの表情だった。

 左打者対策も万全だった。昨季は調整の一環で試投したカットボールを、国際試合に向け、本格解禁を示唆。今大会は球数制限も重要なポイントで、内角で詰まらせれば、わずか1球での料理も可能。「内角でカウントを稼げればなと。インコースの出し入れができれば」と構想を練る。

 先発の軸として期待される広島前田健は、右肩の張りで不安。楽天田中も17日の広島戦で2回2失点とピリッとしなかった。先発の可能性について、山本監督は「当然、それも考えないと。全てにいい状態できているから」と含みを持たせた。当落線上ともみられた男が、投手陣の救世主になる可能性が出てきた。【久保賢吾】