今、WWEでもっともホットな女子レスラーとして注目されるのが「バフ・バービー(筋肉バービー人形」)ことティファニー・ストラットン(24)だろう。先月24日、WWEのプレミアム・ライブイベント、エリミネーション・チェンバー大会(オーストラリア・パース)では、異例とも言える「ティファニー・コール」が起こった。ストラットンは6選手出場の女子エリミネーション・チェンバー戦(最初は2人で戦い、時間差で1人ずつ参戦。残り4人は小部屋で待機するバトルロイヤル)に出場。王座獲得経験のある選手らとリング内外で激しくファイトした。

3番目に登場したストラットンは、元WWE女子タッグ王者ナオミを丸め込んで脱落させた。4番目に登場したリブ・モーガンの得意技オブリビリオンを浴びて脱落したが、即座にオーストラリアのWWEファンからストラットンの負けを惜しむ大きなブーイングが起こり、熱列な「ティファニー」コールがアリーナに響き渡った。

その後の他試合でも「ティファニー」コールも起こるなど、異例とも言えるファンの反応を知り、WWEの首脳や関係者たちを驚かせた。WWE関係者は「オーストラリアでのティフェニー・ストラットンに対するファンの反応はWWEの多くの人をびっくりさせた。今後、もっと出番を増やすことを考えている」と明かしている。

ストラットンは21年末にWWE傘下のNXTでデビュー。昨年5月にはNXT女子王座トーナメントを制し、NXT女子王座を獲得した。今年2月にスマックダウン(SD)のニック・アルディスGMとサインを交わしてSD昇格を果たした。バックステージでは前WWE女子王者ビアンカ・ブレアや実力派のミチン(ミア・イム)に攻撃するなど若手らしくないアピールを続けている。インタビューでも「私は『ミス無敗』であり、史上最高の選手になる途上にある。それが宇宙の中心の仕事だから。知っていますか? 『ティッフィータイム』よ!!」と堂々としたものだ。

リング外でも「躍動」している。露出の多い大胆なコスチュームやプライベートの水着姿、ドレス姿などを次々と自らのインスタグラムに公開しており、徐々に人気を上げている。

身長170センチの元体操選手で16年には米国代表候補入りするなど身体的な能力の高い有望株。得意技はプリティエスト・ムーンサルト・エバー(変形月面水爆)で、コーナーから3本のロープを順番にジャンプした反動を生かして飛び、大きな弧を描いて対戦相手に体を浴びせる。「これまででもっとも美しいムーンサルト」と命名してしまうものストラットンらしい。

米国メディアのインタビューで「私は王者になる前から常に王者のように振る舞ってきました。私は人前でどう振る舞うかを知っている」と言い切っていた。14度の王座戴冠を誇るあこがれのシャーロット・フレアーからのアドバイスにも耳を傾け、スターへの道をまい進している。ストラットンという可能性豊かなWWEスーパースターの今後にも期待したい。【藤中栄二】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「リングにかける」)

水着姿の写真をSNSに更新し、健康美をみせる「バフ・バービー」ティファニー・ストラットン(ストラットン公式インスタグラムから)
水着姿の写真をSNSに更新し、健康美をみせる「バフ・バービー」ティファニー・ストラットン(ストラットン公式インスタグラムから)