転籍した元中川部屋の力士が、新天地で奮闘している。東序二段4枚目春光(34=宮城野)は一番相撲で押し出され、白星発進とはならなかったが「自分が頑張ることで一緒にいた中川部屋のみんなも頑張れると思う」と前向きに話した。

攻めに耐える春光(撮影・河田真司)
攻めに耐える春光(撮影・河田真司)

13年前の新横綱場所から白鵬の付け人を務めてきたため、移籍した宮城野部屋の力士は全員が顔見知りだった。「親方、横綱をはじめみんなが快く受け入れてくれました。横綱には『よく稽古してるね』と声をかけてもらったり、かわいがってもらっています」と感謝する。

移籍して元中川部屋の力士に「みんな頑張ろうぜ」とLINEを送って鼓舞した。幕下吉井には直接「大丈夫か? 落ちついているか?」と連絡した。元中学横綱の有望株といってもまだ16歳。新たな環境に身を置く弟弟子を、兄弟子なりに気遣った。

武玄大(左)を攻める吉井(撮影・河田真司) 
武玄大(左)を攻める吉井(撮影・河田真司) 

その吉井はこの日、一番相撲で左差しから一気に寄る快勝を収めた。「(移籍した時津風部屋は)みんな優しく受け入れてくれた。勝ち越しできるように1日1日集中してやっていく」。関取候補の幕下旭蒼天も「長い間一緒にいたから寂しさはあるけど頑張ります」と誓った。【佐藤礼征】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)