新生「押尾川部屋」の力士たちの表情が明るい。部屋頭の十両矢後(27)は「みんなの顔を見ていると、すごく充実している。力士だけでなく裏方さんも含めていい雰囲気です」。

尾車部屋の閉鎖に伴い、先月2月7日付で押尾川親方(元関脇豪風)が独立した。外国出身の研修生もいるが、引き連れられた力士は矢後を含めて3人。“小所帯”から新たな歴史をつくっていく。

ベテランで序二段の飛燕力(39)は、ちゃんこ番を中心に縁の下から支える。元大関大麒麟が師匠を務めていた押尾川部屋に入門し、98年春場所が初土俵。師匠の定年に伴い05年春場所で部屋が閉鎖され、尾車部屋に転籍した。初日の1番相撲で17年ぶりに「押尾川部屋」と所属部屋がアナウンスされ「入門した部屋でもう1回取れるうれしさと、年齢が年齢だけに恥ずかしい」と照れ笑いした。

幕内経験者で三段目の天風(30)は「入門したときの新鮮さがある。一丸となってみんなでカバーしあいたい」。場所後の4月中旬には、東京・江東区の旧尾車部屋から墨田区文花に新設している建物に移転予定。再出発の春になる。【佐藤礼征】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)

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