パイプいすに座る元横綱大乃国の芝田山親方と向き合う。

「はっけよい」と威勢のいい行司のかけ声を脳内で再生。右手をつっこみ、がばっとまわしを、いやビスケットをつかんで持ち上げた。記録は21枚。芝田山親方のおまけで、さらに1枚もらって22枚だった。

芝田山親方発案の「スイーツ親方の店」が昨年から館内に構え、同親方厳選のパンなどが売られて好評だ。今場所から「ビスケットのつかみ取り」を実施。1口大のビスケットが2枚入った小包が段ボールいっぱいに入っており、そこからつかみ取る。

「長時間相撲を見ることになるから口も寂しくなる。ちょっと口に入れて観戦のお供になれば」と広報部長も務める芝田山親方ならではの発案だ。つかみ取りする際には裏返しにしたポリ袋を手袋代わりにするなど、感染対策もばっちり。一口で食べられるため、マスクをさっと外すだけで済む。ほどよく甘く、塩味が絶妙に効いたビスケットは「もう一丁」とついついすすむ。つかみ取りというよりは、豪快に下からすくい上げる客もいたが「物言い」はなし。「コロナ禍でもお客さんに楽しんでもらうのが一番」と笑顔だった。【佐々木隆史】

芝田山広報部長の店でつかみ取りのビスケット(撮影・鈴木正人)
芝田山広報部長の店でつかみ取りのビスケット(撮影・鈴木正人)
芝田山広報部長の店でつかみ取りする佐々木隆史記者(撮影・鈴木正人)
芝田山広報部長の店でつかみ取りする佐々木隆史記者(撮影・鈴木正人)