同級4位高橋竜也(30=ヤマグチ土浦)の初のタイトル獲得はならなかった。昨年世界挑戦もした同級2位ジェトロ・パブスタン(27=フィリピン)とともに初王座をかけて対戦。初回に圧倒されるも追い上げたが、バッティングによる右まぶたの傷が深くなって試合続行不可能に。7回38秒負傷判定となったが、0-2で敗れた。

 7回早々にドクターストップになると、高橋はリングに崩れ落ちた。「尻上がりに調子を上げ、12回やりきるつもりだった。いいところにいけると思ったのに」。判定の結果は1人が引き分け、2人が1ポイントと2ポイント差の0-2だった。これからというところでストップに無念さがあふれた。

 初回に左ストレートをクリーンヒットされ、何度かぐらつかされた。14年12月の日本同級王座挑戦以来のタイトル戦。そのプレッシャーもあったか「硬かった。やばいと思った」。岩本会長も「いいのをもらって相手にリズムに乗らせてしまった」。それでも2回からはひるまずに攻めて、左右ボディーで「相手は声を出していた」と効果的だった。

 2回にバッティングで左まぶた、4回には右まぶたをカットした。血が止まらずに傷口も広がってしまった。「突っ込んでくるのは分かっていた。切れやすいのもある」と高橋。38戦目で2度目のサウスポー相手。対策は練って練習してきたが「フィリピンの左は初めて。独特だった」。ジム3人目の王者誕生はお預けとなった。