大金星で王座を海外奪取したWBO世界フライ級王者木村翔(28=青木)が、一夜明けた29日に上海から凱旋(がいせん)帰国した。五輪連続金メダルで中国のスター鄒市明(36)を11回TKOで打ち破った。まだベルトはないが、3回に初めてカットした右まぶたに大きなテープの勲章。「全然寝ていない。まだ実感は湧かないが、気持ちの勝利」と笑みを見せた。

 初防衛戦は90日以内に指名試合となる。同級1位は元WBC王者五十嵐(帝拳)。「アマ出身の技巧派。見たことはないです」と初々しい。「まぐれと言われないよう、これからが勝負」と気を引き締める。同級はWBA井岡、WBC比嘉と日本人王者が3人になった。井岡は同じ年で高1で同じインターハイに出た。「あの頃から有名。これも何かの縁。ぜひやりたい」と、今後の団体統一戦へも意欲を示した。