10年の初場所中に泥酔して知人男性に暴行し、引退に追い込まれた元横綱朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏(37)が31日、abemaTVで生配信された「朝青龍を押し出したら1000万円」で7年ぶりに土俵に立った。

 元朝青龍は、この日、8番勝負に臨み、初戦で元フランス外国人部隊所属の久保昌弘(32)と対戦。立ち合いで下手を取ると、右手1本で抱え上げて、プロレスのボディスラムのように豪快に土俵にたたきつけて圧勝した。

 元朝青龍は、前日30日に友綱部屋で稽古を行い、現役力士相手にいい調整が出来たといい、塩を手にした瞬間、不適な笑いを浮かべていた。初戦を終えると「7年ぶりの土俵に1度、上がりたかった。本場所用の土俵で取って、涙が出るほどうれしいんですよ。横綱だからね。つかめば何とかなるだろうという感じで」と余裕のコメント。久保に対してコメントを求められると「裸で相撲を取ること、ないんじゃないですか。かわいそうですね。いい年、迎えるように頑張って下さい」と笑いながら気遣った。

 元横綱若乃花の花田虎上氏(46)は、初戦の前に「現役時代より足腰が大きくなったみたい」と評したが「あそこまで上に上がった上手投げ、見たことがない」と驚いた。

 久保は「本当に、朝青龍に殺されました。トラクターを使って特訓しましたけど、朝青龍の方がトラクターより強かったということ。死んだ人間だから、やるチャンスはないですね」と肩を落とした。

 「朝青龍を押し出したら1000万円」は、ルールは通常の大相撲と同じ。突っぱり、投げ技、押し出しはOKだが、最低限の安全を確保するという理由で張り手、立ち合いの変化、かち上げは禁止。元朝青龍は、この日が最初で最後の土俵復活だとした。