前人未到の防衛を飾った。王者村田諒太(32=帝拳)が6位エマヌエーレ・ブランダムラ(イタリア)から8回にダウンを奪い、2分56秒TKO勝ちした。

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 開始30秒で勝負ありだった。村田はガードを固めて、手も出さずにプレッシャーをかけていった。それでブランダムラをロープまで下がらせた。ヘビににらまれたカエル状態。あのプレッシャーは村田の武器といえ、勝負は見えていた。

 あとは追い込むだけで、右を警戒されていたが、左ジャブがストレートのように効いた。左ボディーは少なかったが、右のボディーストレートも良かった。

 ブランダムラは攻撃2割、防御8割で、足も使ってきた。村田が負けることはなくても、倒すのが難しいタイプ。それを最後にワンツーから右で倒した。判定とKOでは全然違う。このKO防衛は大きい。

 初防衛戦は硬くなるものだが、村田は笑いながらのびのびと試合していた。一時スランプのような時もあったが、世界を取って吹っ切れた感じだ。

 この階級は強敵ぞろいで見応えある。次はファルカン戦も面白いが、すぐにでもゴロフキン戦を見たい。ゴロフキンといえども全盛期は過ぎている。あのプレッシャーで下がらせることができれば、チャンスは十分にある。(元WBA、WBC世界ミニマム級王者)