08年北京オリンピック(五輪)柔道男子100キロ超級金メダリストで総合格闘家の石井慧(31)が19日、クロアチアの孤児院を訪問し、約1年ぶりの試合で獲得したファイトマネー全額(金額未公表)を寄付した。

同国のナゾロバ孤児院に足を運び、自ら寄付金を届けた。実際に子どもたちとも触れ合い「良い経験になりましたし、いろいろ考えさせられました」と口にした。

同国に練習拠点を構えている石井は「クロアチアのために自分に何かできることはないか」と思案。孤児たちの現状を知り「ホームレスの子どもたちのために戦います」と10月13日の格闘技興行GMC(GEAMAN MMA CHAMPIONSHIP)17大会(デュッセルドリフ)に参戦し、ファイトマネーを寄付する意向を示していた。

試合もクロアチア国旗がデザインされたトランクスで臨み、ヘビー級ワンマッチでロカス・スタンブラウスカス(39=リトアニア)に一本勝ち。「ウニヒピリ(内なる自分の力)を使ったおかげ」と話していた石井は「大人がもっと責任を持たなければと思うとともに、ボクは自分の親に感謝です。その感謝からウニヒピリがまた生まれ、そのウニヒピリをまた力に変えることでしょう」と決意を新たにしていた。