旗揚げ18周年を迎えたゼロワンが記念大会を開き、フリーの火野裕士(34)がメインの試合後に入団を発表した。

田中将斗とのシングルマッチをファッキンボムで制した火野は、マイクを持ち、関西弁で「いい団体ですねぇ」としみじみ。ゼロワンが継続するいじめ撲滅運動の大切さについて熱弁した後、客席に向かって「みんなが許してくれるなら、ゼロワンに入団したいと思います」と宣言。熱い火野コールで満場一致を得た。

この日は首の椎体前方骨折により長期欠場していた小幡優作(35)も無期限欠場と退団を発表。「日常生活は問題ありませんが、プロレスとなると正直難しい状態」と素直に語り、「プロレスができるようになったら必ずゼロワンに帰ってきたいと思います」とあいさつ。大きな拍手で送られた。

新日本を退団した橋本真也が01年に立ち上げ、引き継いだ大谷晋二郎(46)らが、ここまで18年間地道につないできた。セミファイナルでは取締役会長を務める大谷が、ゼロワン誕生の01年にデビューした佐藤耕平(41)と対戦。佐藤の強烈なキックを自ら受けにいき、さらに自分から仕掛けることで佐藤が約10年ほど封印していたタイガースープレックスを引き出すなど懐の深さをみせた。

愛弟子の技を見事に受けきり敗れた大谷は、息をきらしながら「ゼロワンを信じて応援してくださるみなさま、ありがとうございます。感謝しかありません」とあいさつ。佐藤にも「相手がお前で良かったよ」と呼びかけた。勝利した佐藤は「勝ったからといってあの人を超えたわけじゃない。学べるところがたくさんあった」と大谷に感謝した。

別れと、新たな風。選手それぞれの思いを込めた興行で、また新たなスタートをきった。