ボクシングWBO世界スーパーフライ級2位井岡一翔(30=Reason大貴)の4階級制覇への再挑戦が決まった。6月19日に千葉・幕張メッセのイベントホールで、同級1位アストン・パリクテ(28=フィリピン)との王座決定戦に臨む。19日に埼玉・越谷市内のジムで発表した。昨年大みそかに失敗からの再起戦で、日本人男子初の偉業へ再びチャンスを得た。20日には渡米し、直前まで約2カ月間の合宿に突入する。

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井岡には2年2カ月ぶりの国内復帰戦で、再び大きなチャンスを得た。「負けた後の再起戦でタイトルに挑戦できるとは、びっくりした。こんなことはない」。素直に喜びながら「後がない。背水の陣だと思っている。最後のチャンスと思って挑む気持ち。負けられない。勝つしかない」と力を込めた。

17年の大みそかに引退を発表したが、昨年9月に米国で現役復帰した。その大みそかにマカオで同級王座決定戦に臨んだが、ニエステ(フィリピン)に1-2で判定負けし、4階級制覇に失敗した。だがニエステが王座を返上したことで、またして日本人初の偉業がかかる舞台へと上がる。

復帰時は米国で4階級制覇を目標に挙げ、国内ライセンスは持っていなかった。このため3月に再申請し、国内復帰も実現した。関東地区では3試合目で初の世界戦となる。「日本のファンに成長した姿を見せ、やってきた結果を見せたい」と、会見後は新たなジムでの練習を披露した。

パリクテは昨年9月の同級王座決定戦が世界初挑戦だったが、ニエステと引き分けている。井岡は「アグレッシブで勢いがあり、パンチ力もある」と評した。6センチの身長差もあり、簡単な相手でない。

3月には30歳になった。「人として、ボクサーとして大きな節目。偉業を成し遂げ、次につなげたい」。20日にはラスベガスに出発。試合直前まで約2カ月間滞在し、体を仕上げる。【河合香】