全日本プロレスが、3日に交通事故により41歳で亡くなった青木篤志さんの追悼大会を行った。

メインでは、世界ジュニアヘビー級王者青木さんに挑戦する予定だった盟友佐藤光留(38)と、ジュニアの若手で青木さんと同じユニット「Evolution」の岡田佑介(26)の特別試合。試合をさばく和田京平レフェリーは、青木さんのカラーである青を基調にした服を着てリングにあがった。強烈なキックを見舞う佐藤に岡田がエルボーで応戦するなど食らいつくが、最後は佐藤が捕獲式腕ひしぎ逆十字固めをきめ、勝利した。

試合後にマイクを持った佐藤は「僕のプロレスの半分だった青木さんがいなくなってから、忙しい日々でした。僕がへこんでいるわけにはいかないと思って。会いにいった青木さんも『いいからリングにあがってください』、やっぱりそういう顔をしていました」と変わらぬ日々を過ごそうと努めてきた期間を振り返った。

ただ、おさえていた気持ちがあふれ出た。「青木さんがいるはずだったリングに立ったら、本当にさみしいよ。青木さーん、青木さーん、青木さーん」と涙を流しながら叫んだ。世界ジュニア王座は、保持期限の11月まで青木さんが保持したままとなる。佐藤は「譲り受けてから、ベルトを輝かせ続けます」と天国の青木さんとファンに約束した。

その後、10カウントゴングとともに会場全員で黙とう。ブルーの紙テープが大量にリングに投げこまれ、青木コールが止まない中、佐藤が遺影を高く掲げた。

秋山準社長は「どっかで見てくれていると思います。しっかり前を向いて、全日本をしっかり前に進めたいと思う」と穏やかに話した。