東京オリンピック(五輪)出場を目指す世界主要4団体ミニマム級覇者の元プロボクサー高山勝成(36=名古屋産大)が22日、全日本選手権東海地区予選(31日-9月1日、岐阜)を前に大阪市内で練習を公開した。

練習前の会見には練習相手を務めた元WBCミニマム級王者イーグル京和(本名デン・ジュンラパン)氏(40)も同席した。

高山は「14年前には戦ったんですが、4月のタイ合宿でイーグルさんのジムでお世話になった縁で、今回は練習相手をお願いしました」。05年8月に高山はWBC王座を奪われたが、同氏がアマチュアボクシング出身で現在も体重52キロとトップコンディションを維持しているとあって、スパーリングパートナーを要請した。

同氏は18日に来日、2人は21日まで約10ラウンドのスパーリングを行った。高山の中出博啓トレーナー(58)は「ビックリするほど激しい内容。イーグルはテンポやパンチのタイミング、強さで(トップの)アマチュア以上でした。高山は今後、オーソドックスな相手と戦う場合、大きな自信になると思う」と言い、高山本人も「パンチのタイミングが絶妙で、学ばせてもらいました」と感謝した。

イーグル氏はアマ戦績31勝4敗。タイの五輪代表にも勝ったトップ選手だったが、ほとんどRSC(レフェリー・ストップ・コンテスト)で勝っていたことで、五輪を目指さずプロ転向したという。「高山は昔よりもっと足が速くなった。パンチも重い。(トップアマとやっても)問題ないです」と高山のアマチュアボクサーとしての能力に太鼓判を押した。

東京五輪の代表選考において重要視される全日本選手権の東海地区予選では、アマチュアデビューだった愛知県予選より対戦相手がレベルアップする。「1戦必勝でやるしかない」と、負ければ東京五輪が絶望的となる高山には、イーグル氏とのスパーリング経験が大きな武器になる。