ボクシングWBC世界バンタム級暫定王者井上拓真(23=大橋)が29日、横浜市内の大橋ジムで10分間限定の公開練習を行った。

井上拓はWBCの緑のベルトをイメージした、緑メッシュ入り髪形で登場。11月7日、さいたまスーパーアリーナでの正規王者ノルディーヌ・ウバーリ(33=フランス)との統一戦に向け、まず2回シャドーボクシングをした後、キレのあるミット打ちを1回だけ披露し、そこで公開終了。報道陣を閉め出し、調整を続けた。大橋会長は「大変失礼なのは分かっているのですが、大事な統一戦なので」と前日28日の兄尚弥に続く、異例の10分間限定公開をわびた。

練習前の会見では9日後に迫る試合に向け、自信を口にした。「五輪に2回出ているキャリアもあり、うまさもある」とウバーリの強さを警戒しつつも、「厳しい戦いになると思いますが、しっかり勝って、兄にバトンをつなげたい」と力強く宣言した。父である真吾トレーナーも「最低でも五分以上(に戦える)自信がある」。さらに「反応からすぐ対応できるスタイルができるようになった。今までは、ちょっと見て、考えるという間があったけど、今はない。瞬間、瞬間で対応できるようになった。それをそのまま出せれば」と自信をみせた。

今回ウバーリを下し王者となれば、11月23日のWBC世界バンタム級1位ルイス・ネリ(メキシコ)-同級5位エマニエル・ロドリゲス(プエルトリコ)の勝者との指名試合が待つ。23日のWBC年次総会で決定し、大橋会長もこの日までに正式な連絡がきていることを明かした。井上拓は「今は目の前のウバーリ戦に向けて集中している状態なので、そこは気にしていない」と話した。