ボクシングの元世界3階級制覇王者・八重樫東(37=大橋)が1日、横浜市内の所属ジムで会見し、現役引退を発表した。

<八重樫の激闘3番勝負>

◆統一戦 12年6月20日(大阪府立体育会館)11年にWBAミニマム級王者となり、初防衛戦でWBC同級王者井岡一翔との日本男子初の2団体王座統一戦に臨んだ。序盤から互角も初回で左、3回に右目を腫らしながら打ち合い。左はほぼ見えなくなっていたが、ドクターチェックには「もともと目が細い顔」と訴えて続行。最後までリングに立ち続け、判定負けも1、2ポイントの小差だった。

◆無敵相手 14年9月5日(代々木第2体育館)WBCフライ級王者のV4戦で、自ら名乗りを上げて3階級制覇を狙う39戦全勝(33KO)のローマン・ゴンサレス(ニカラグア)と対戦した。3回には左フックでダウンしたが、立ち上がると両拳を当てて、覚悟を決めて真っ向勝負に出た。リング中央でも打ち合って応戦したが、9回にコーナーに崩れ落ちてレフェリーストップされた。

◆偉業達成 15年12月29日(有明コロシアム)3階級制覇に2度目の挑戦で、IBFライトフライ級王者ハビエル・メンドサ(メキシコ)と対戦した。初回から足を使ってリードも、7回に急に足が止まってロープを背負った。インターバルで亡き祖母の遺影を見せられて奮起。王者の反撃にも逃げずに打ち合って、結果的には大差の3-0判定勝ち。日本人4人目の3階級制覇を果たした。