プロレスラーのスペル・デルフィン(本名・脇田洋人=52)が、13日投開票の大阪・和泉市議選(定数24)で3選を果たし、一夜明けた14日、同市役所で取材に応じた。

プロレスで築いた絶対的な知名度や過去の実績が評価され、27人が立候補した今回の市議選で、10番目となる2633票を獲得し、12年の初当選から3選を果たした。

この日行われた授与式では、当選証書と新たな市議バッジを受け取った。デルフィンは「当選させていただき、感謝しかありません」とあいさつ。「本当にしんどい1週間(選挙期間)でした。プロレスはお客さんにチケットを買っていただけば、ほぼ会場に来ていただける。選挙は有権者との信用関係が頼り。とにかく一生懸命やらせていただいた」と振り返った。

過去2期(8年)では、プロ野球オリックスのホーム試合で「和泉市民観戦デー」開催を実現させるなど、スポーツや芸術、観光分野に力を入れてきた。「今まで以上に経済振興の発展を目指します」。今後は地元の女子プロサッカーチームとの連携も企画し、市の盛り上げも狙う。

22日には53歳の誕生日を迎えるが、現役レスラーとしてまだまだ突っ走る。20日には長野市の信州プロレスの興行に出向き、ザ・グレート・サスケら新旧覆面議員とタッグを組む。ゲストにはアントニオ猪木、藤波辰爾、前田日明といったレジェンドも集結。3選のあいさつは「もちろん、させていただきます」。大先輩との再会を心待ちにしている。

「今の時代はテレビ画面や興行だけでなく、ユーチューブを使ってプロレスを届ける“ユーチューバー・レスラー”を育てることが急務だと思っています。ユーチューブでスターレスラーを作りたい」

元大阪プロレス社長で、現在は沖縄プロレス社長の肩書を持ち、大阪の海鮮プロレスのプロデューサーも務める。人口約18万5000人の和泉市をさらに発展させつつ、プロレスという世界共通のエンターテインメントを使い、まだまだ活躍を続ける。【横田和幸】

◆スペル・デルフィン(本名・脇田洋人=わきた・ひろと)1967年(昭42)9月22日、大阪・和泉市生まれ。21歳の時、オランダでプロレスデビュー。FMW、ユニバーサル、みちのく、大阪を経て沖縄プロレスに。172センチ、80キロ。家族は夫人のタレント早坂好恵と1女。