ボクシングWBO世界フライ級王者となった中谷潤人(22=M.T)が7日、オンライン取材で一夜明けて喜びを実感していた。

2度延期の末の世界初挑戦で、同級1位ジーメル・マグラモ(26=フィリピン)に8回KO勝ち。コロナ禍で外国選手を招いた国内初の世界戦を飾り、2年ぶりの新王者誕生となった。

「LINEやメールがたくさんで読み切れていない。祝福してもらい、だんだん実感してきた」と話した。

来日できなかったルディ・エルナンデス・トレーナーにも試合後すぐにも電話し「本当によかった」と喜んでもらった。相模原市内の自宅に戻って、支えてくれてきた家族と喜びを分かち合った。

録画していた中継を見て、睡眠時間は4時間程度という。「反省も多い。ガードとか細かいところを直していきたい」と話したが、代わりにチーフセコンドを務めた岡部大介トレーナーは満点を与えた。

リングの真ん中で戦い、打ったら動いて正面に立たない。途中から距離をとった。「アウトでもインでもできる練習をしてきた。安心して見ていられた。途中から黙っていた」というほどスキのない試合だった。

「釣りにいってのんびりしたい」と笑みも「石井広三会長にあいさつしたい」。中1からKOZOジムで手ほどきを受けた。世界をとろうと誓った恩師だが、中3時に交通事故死した。墓前にベルトをささげるつもりだ。

今後はコロナ禍で見通しは立たないが「防衛回数に価値がある」とまずは連続防衛を目指していく。対戦相手には真っ先に、いずれ指名挑戦者が予想される同級2位アンヘル・アコスタ(30=プエルトリコ)の名を挙げた。「強い人に勝てるよう、さらに成長していきたい」と先を見据えた。