反則ありのルールで行われたワンダー・オブ・スターダム選手権試合は王者ジュリア(26)が刀羅ナツコ(29)を破り、5度目の防衛に成功した。

2日の新木場大会後、ジュリア自らナツコを指名し、対戦を要求。ルールを考えるように言われていたナツコは反則ありの「ノールール」を提案した。普段からチェーンを武器とするナツコに対し、ジュリアは瓦割りで対抗。「初めて。使っている人を見たことがなかったので」と大量に用意した。

開始からレフェリーも「反則もありだ。どんどん行け」と促す異例の展開。ジュリアはパイプ椅子で仕掛けた相手の攻撃を止めると、そのまま椅子に横たわるナツコの上に6枚の瓦を乗せ、豪快に打ち砕く。さらに今度は約20枚をリング中央に置き、その上に、抱え上げたナツコを背中からたたきつけた。

中盤には逆襲を受け、机に乗せられ、ナツコにコーナー最上段から飛び込まれ、毒霧ならぬ、毒粉を吹き掛けられるなど、あわや3カウントのシーンが何度も訪れたが、仲間の助けもあり、何とか回避。最後はナツコの持ち込んだチェーンで逆に絞め、グロリアス・ドライバーからの片エビ固めで勝利。さまざまは道具が入り乱れた、大荒れの試合を制し、ベルトを守り抜いた。

試合後、リングに倒れ込んだままマイクを取り「ナツコ、生きてるか。お前マジで最高にぶっ飛んでて最高にクレイジーな女だな」と激闘の相手をたたえた。チェーン攻撃はダメージが大きかったようで「危ないから辞めたらいいのに。こんな凶器使わなくても強いよ」と会場を笑いに包んだ。

バックステージでも横たわったままでコメントした。青い粉まみれの顔ながら「たまにはこういう試合があってもいい。また機会があったらやりたい」と嫌いじゃない様子のジュリア。昨年はプロレス大賞を受賞するなど、団体を引っ張り、充実した1年を過ごした。今年も5日には2年連続で東京ドームのリングに立つなど、順調なスタートを切った。

「2月にも防衛戦をやりたい。まだまだ防衛したい」

目指すはユニット全員でのタイトル総なめ。達成するまでベルトを渡すつもりはない。