GHCタッグ王者のベルトを持つ桜庭和志(51)が、3月7日の防衛戦(横浜武道館)に弾みを付けた。

パートナーの杉浦貴(50)と8人タッグマッチに出場。タイトルマッチの挑戦者となる中嶋勝彦に、プロレスではほとんど披露していない、ふくらはぎへの関節技「カーフスライサー」でギブアップを奪った。中嶋のサッカーボールキックを何度も食らい、勝負ありかと思われたが、ふくらはぎへのカーフキックで流れを引き寄せ逆転。「(ふくらはぎに)かなりダメージが残ると思う。アキレス腱(けん)とはまた違った絞め方」と手応えを口にした。

敵の技も“盗んで”みた。倒れている相手に尻もちをつくようにジャンプするマサ北宮の得意技・セントーンを試した。1度目は失敗したが、ひるまずすぐにもう1度仕掛け、成功。杉浦からは「いろいろ試すことで楽しんでいるんだよね」とフォローされた。

プロレスでも格闘技でも「練習が楽しい」と話す。試合がある、ないにかかわらず練習のルーティンは変えない。「こういう技のかけ方があるんだとか、新しい発見があってめちゃくちゃおもしろい」。多くの試合をこなしてきた今でも常に新技を考え、自分の流れに加えることもあるという。「晩酌しながら動画を見ていて、外国人の変な技とか次の日に試したりする」と、どん欲に取り組む。

「タイトル戦はこのままだと大丈夫」と4度目の防衛に自信を見せる。50歳を越えたが、楽しみながらやっている以上、技術もメンタルも常に成長し続ける。「55歳までは無理だと思う」と謙遜するが「楽しさ」がなくならない限り、桜庭は練習に励み、リングに立ち続ける。【松熊洋介】