小こけしならぬ“小天山”で弟子をアシストした。天山広吉(50)がマスター・ワトと組み、同じ本隊で普段は味方になることの多い、本間、イーグルス組と対戦。

天山は序盤、本間の得意技である頭から飛び込む小こけしを試みるも失敗。それでも諦めず、終盤にしっかり成功させると、得意技のアナコンダバイスでギブアップを奪った。27日にIWGPジュニアヘビー級王者のイーグルスとのシングルマッチを行うワトにいい流れを作り、試合後にはガッチリ握手。「(明日)3カウント、ギブアップ、何でもええから勝てばいいんや。ここでやるしかないぞ」と気合を入れた。

得意技を使われる悔しさは誰よりも分かっている。今年1月にモンゴリアンチョップをかけた封印マッチでオーカーンに敗れ、代名詞を奪われた。使いたくても使えず、逆に他の選手にどんどん浴びせられる屈辱を味わい、力強いパフォーマンスは影を潜めた。3月に手の角度を変え「真モンゴリアンチョップ」として封印を解き放ってからは「流れも良くなった」と調子を上げてきた。7月には小島、永田との第3世代トリオでNEVER無差別級6人タッグ王座に挑戦。敗れはしたが「こんなんで終わりちゃう。またチャレンジする」と好調を維持している。

27日は出場予定はないが「(ワトを)思いっきりバックアップする」とセコンドについてサポートするつもりだ。「ここがチャンスやから。ロビー(イーグルス)に劣るところは何もない。チャンピオンをグチャグチャにしてやれよ」。相手の得意技を使う余裕を見せた天山は、自分のことよりも大事な戦いが控える後輩を思い、エールを送った。【松熊洋介】