同級1位矢吹正道(29=緑)が王者寺地拳四朗(29=BMB)を10回途中TKOで破り、世界王座を奪取した。

矢吹の両胸には、小さく不思議な形のタトゥーが刻まれている。

右に「下克上」。左に「大和心」。入れた理由を聞くと「同じ時期にアマチュアでやっていた選手がプロでどんどん活躍する姿を見て、歯がゆくて」。当時19歳。世界王者になるためにプロになった男が、その悔しさを忘れないように刻んだ。

珍しいのは2つとも“逆文字”なこと。鏡に映したように逆さになっている。「あえて逆にしました。その言葉が自分に向かって訴えてくるようにって」。10年前、胸に刻んだ誓いを実現させた。