WWEの「野獣」ブロック・レスナーが暴走し、無期限出場停止処分となった。22日のPPVクラウン・ジュエル大会(サウジアラビア)でWWEユニバーサル王者ローマン・レインズに挑戦したものの、敵陣営の介入&ベルト殴打でダメージを負い、3カウントを許した。レインズへの復讐(ふくしゅう)心が暴走を助長し、レインズだけでなく、制止に入った他選手やカメラマンら関係者、そして出場停止処分を発表したWWEオフィシャルのアダム・ピアースにまで暴行に及んだ。

試合直後、レスナーは「スマックダウンに到着したら、レインズが気を失うまで殴ってやる」との声明を出していたが、その言葉以上の暴れっぷりだった。先にリングに登場したレインズから「2日連続で倒してやる。レスナーが現れるまでどこにも行かないぞ」と挑発されると、怒りを抑えた笑みをみせながらレスナーが姿をみせた。

ジャンプしてリングにのぼると、レインズにクローズライン(ラリアット)2発から場外へと飛び出し、鉄製ステップでレインズを殴りつけて襲撃。王者の救援に駆けつけたウーソズ(ジェイ、ジミーのウーソ兄弟)をヒザ攻撃などで排除すると、近くにいたカメラマンを突き飛ばし、テレビカメラを破壊した。制止に入った複数のレフェリー、他選手たちも蹴散らし、撤退するレインズ陣営をにらみつけながらリングに残ったユニバーサル王座ベルトを掲げて勝ち誇った。

さらにレスナーの暴走は続いた。リングに残ったピアースから「みんなを危険にさらしたレスナーの行動は許されるものではない。ブロック・レスナーを無期限出場停止にする」と発表されると、再びレスナーが登場。ピアースの胸ぐらをつかんで担ぎ上げ、F5でマットにたたきつけた。

シャツやズボンが破れ、ボロボロになってマットに倒れこんだピアースの口にマイクを近づけ「聞こえないな。もう1度言ってくれ」とあざ笑った。最後まで悪びれることなく、暴走状態のまま、ステージから立ち去っていた。