ボクシング元WBC世界バンタム級暫定王者井上拓真(25=大橋)が1階級上げて「世界前哨戦」に臨む。11日、東京・後楽園ホールで開催されるフェニックスバトル大会(日刊スポーツ新聞社後援)で元東洋太平洋スーパーバンタム級王者和気慎吾(34=FLARE山上)とのWBOアジア・パシフィック同級王座決定戦を控える。10日には都内のホテルで前日計量に臨み、リミット(55・3キロ)でパス。和気は300グラム少ない55・0キロでクリアした。

21年1月の東洋太平洋バンタム級王者栗原慶太を9回負傷判定で下して以来、約10カ月ぶりのリング。試合間隔について問題なしを強調した上で「集中したら負ける相手ではない。しっかりと集中して勝つということが大前提」と気合を入れ直した。勝てば、WBC世界バンタム級暫定王座、東洋太平洋スーパーフライ級、同バンタム級王座に続き、4本目のベルト奪取となるものの「世界へのステップです」と世界前哨戦と位置付けている。

現在、バンタム級でWBO6位、WBCとIBFで8位にランキングされている。今回、1階級上の世界ランカーと拳を交えることになり、勝てばスーパーバンタム級でも世界挑戦の可能性が広がりそうだ。WBAスーパー、IBF世界バンタム級王者の兄尚弥(28)から「いつも通り、しっかり勝てよ」と激励を受けた。井上は「もう世界しかみえていないので、ここはあくまでも通過点として。集中して勝っていきたいです」と強調していた。