ボクシング東洋太平洋スーパーバンタム級王者勅使河原弘晶(31=三迫)が、WBC世界バンタム級王者ノニト・ドネア(39=フィリピン)の前座で世界挑戦のチャンスをつかむ。

12月11日(日本時間12日)、米カリフォルニア州カーソンでIBF世界同級3位として、同級4位マーロン・タパレス(29=フィリピン)と同級挑戦者決定戦に臨むことが22日、所属ジムから発表された。同興行のメインは、ドネアがWBC世界バンタム級暫定王者レイマート・ガバリョ(フィリピン)との初防衛戦に臨むことが決まっている。

「あこがれの選手」というドネアがメインの興行で、挑戦者決定戦に臨む勅使河原は22日、都内の所属ジムで会見。「ドネアに会って話せるのが楽しみというファン目線」と冗談を交えて前置きしつつ、元WBO世界バンタム級王者でもあるタパレス撃破に強気そのもの。「負けたら何もなくなる。勝つことしか考えていない。タパレスを倒して勝って当然だと思っている。勝って世界戦に臨みたい」と強い決意を口にした。

三迫貴志会長によると、8月にはIBFから挑戦者決定戦の指令が届いていた。コロナ禍で試合日程が決まるまで約3カ月程度かかったものの、勅使河原は「試合がない間は世界を取るための基礎からの練習ができました。この試合間隔はチャンスでした。今できるベストはやってきたつもり。もう前とは別人になっています」と自信をのぞかせた。

これまでプロ26試合は後楽園ホールでファイトしてきた。日本の聖地から離れる初戦が、いきなりボクシングの本場となる米国になる。米遠征も初めてとなる勅使河原は「後楽園ホールの人気者と言われてうれしさもありましたが、海外にも出たかった。日本の侍魂をみせるチャンス。ヒロアキ・テシガワラを米国でアピールしたい。戦争にいくつもりの気持ちです」と気合の入った表情を浮かべていた。