ボクシングの21年度年間表彰選手が29日に発表され、WBAスーパー・IBF世界バンタム級王者井上尚弥(28=大橋)が4年連続5度目の最優秀選手賞(MVP)に選ばれた。

通算5度目MVP受賞は白井義男、具志堅用高と並ぶ最多タイ記録。4年連続MVPは白井(5年連続)、具志堅(5年連続)、渡辺二郎(4年連続)に続いて4人目となる。またKO賞も2年連続5度目の受賞で2冠に輝いた。

「白井さんと具志堅さんに並ぶ、素晴らしい記録だということで自分自身、すごくうれしい」と喜びを口にした井上は「コロナ禍でこういう賞を受賞するのは1つのモチベーションになりますし、22年も素晴らしい試合をして、また賞を取れるように頑張りたい」と声をはずませた。

平成以降となるとMVPの4年連続、5度目受賞はいずれも最多。12年10月のプロデビューから9年で5回目というハイペースが続く。白井、具志堅の保持する最多の5年連続にも王手をかけた22年となる。井上は「毎年取っていきたい賞。自分が結果を出してしっかり取らなくてはいけない、自分が目標とする賞だと思う。毎年そこを目指していきたい。大橋(秀行)会長から今年は勝負の年だぞと言われているので、そこで勝ち進むことができれば、今年も取ることができると思っている」と自信をみなぎらせ、5年連続6度目受賞に照準を合わせた。

◆21年度年間表彰一覧◆

【男子】

★最優秀選手賞=WBAスーパー、IBF世界バンタム級王者井上尚弥(大橋)4年連続5度目

★技能賞=WBO世界スーパーフライ級王者井岡一翔(志成)3年連続3度目

★殊勲賞=IBF世界スーパーフェザー級王者尾川堅一(帝拳)初受賞

★努力・敢闘賞=東洋太平洋スーパーライト級王者麻生興一(三迫)初

★KO賞=WBAスーパー、IBF世界バンタム級王者井上尚弥(大橋)2年連続5度目

★新鋭賞=WBOアジア・パシフィック・バンタム級王者西田凌佑(六島)初受賞

★年間最高試合賞(世界戦)=WBC世界ライトフライ級タイトル戦(21年9月22日、京都市体育館)寺地拳四朗(BMB)-矢吹正道(緑)

★年間最高試合賞(世界戦以外)=ライト級12回戦(21年6月26日、米ラスベガス)ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)-中谷正義(帝拳)

【女子】

★最優秀選手賞=WBA女子世界フライ級王者藤岡奈穂子(竹原慎二&畑山隆則)4年ぶり6度目

★年間最高試合賞=WBA女子世界フライ級タイトル戦(21年7月9日、米ロサンゼルス)藤岡奈穂子(竹原慎二&畑山隆則)-スレム・ウルビナ(メキシコ)

【特別賞】

江畑佳代子(元WBO女子世界ミニマム級王者)、花形冴美(元IBF女子世界アトム級王者)、星野敬太郎(元WBA世界ミニマム級王者)、鈴木太一(元西日本ボクシング協会会長)、登本康夫(元日本ボクシングコミッション審判員)