WBC世界ライトフライ級王者・矢吹正道(29=緑)が決戦1カ月前の19日、電話取材に応じ、初防衛への自信と意欲を示した。

前王者で同級1位の寺地拳四朗(30=BMB)と3月19日に京都市体育館で再戦に臨む。両者は昨年9月23日、立場を入れ替えた形での対戦で、矢吹が10回TKO勝利でベルトを奪取した。寺地陣営が矢吹の故意のバッティングを訴えた経緯もあり、WBCから再戦指令が出ていた。

矢吹は前回対戦を「当たって砕けろという感じで、アグレッシブにいけた」と振り返り、「今度も相手がアグレッシブにくるならかみ合うと思うし、あの試合以上のものを出す」と前王者を刺激するように攻撃的なボクシングを求めた。

コロナ禍で他ジムへのスパーリングなどは厳しい状況だが、調整は順調という。現在は所属ジムで、いつもの試合前と同じ80~90ラウンドのスパーリングを予定している。

王座を8度防衛した寺地が世界戦の経験は豊富なだけに「(ボクシングのタイプ的に)やりづらいといえばやりづらかった」と言いつつ、「長所も短所も把握した。自分も進化している。(作戦は)具体的には言えないけど」。売られたケンカは倍返しか。“元ヤン”世界王者はベルトを守ること以上に返り討ちに燃えている。【実藤健一】