潮崎豪(40)が、1年2カ月ぶりにノアの頂点に返り咲いた。

メインイベントのGHCヘビー級王座決定戦で、前日29日に急きょ決まった清宮海斗(25)と対戦した。何度倒しても起き上がり、食い下がってくる相手。その気迫に圧倒されそうになる場面もあったが、最後まで自身の右腕を信じて振りぬいた。30分2秒、渾身(こんしん)の豪腕ラリアットを決めて3カウントを奪い取った。

体力を使い切ってか、マイクパフォーマンスを行うまでには時間を要した。それでも、右肩のケガの影響もあり1年2カ月間遠ざかっていたベルトだ。「アイアムノア!」と残りの力をふり絞って絶叫。5度目の戴冠となった王者の証を見つめ、喜びに浸った。

27日、同大会で挑戦予定だった前同級王者の藤田和之(51)が、新型コロナウイルス感染により王座を返上。清宮の直訴によって実現した王座決定戦だった。「清宮ありがとう。お前のおかげでノアを見せることができた」と、真っ先に対戦相手への感謝を口にした。

新王者に、一切の慢心はない。この日の第9試合で「X」として出場した新日本プロレスの小島聡が、次期挑戦者として名乗りを上げた。だが、「次のことは触れません」と言及を避けた。「本当は勝った時に『藤田!』と叫ぼうと思っていた。俺はまだ真のチャンピオンじゃない。(相手が)万全な状態で向かい合いたい」。小島も藤田も、その腕でなぎ倒していく覚悟だ。