ボクシングWBC世界バンタム級王者ノニト・ドネア（39＝フィリピン）がWBAスーパー、IBF世界同級王者井上尚弥（29＝大橋）との再戦に備え、大好きな漫画「ドラゴンボール」になぞらえながら大きな進化を強調した。

6月7日、さいたまスーパーアリーナで開催される井上との3団体王座統一戦に備え、31日に東京・新宿区の帝拳ジムで代表取材による公開練習に臨んだ。試合1週間前という体調を考慮し、練習はサンドバッグ打ち、シャドーボクシングを各1ラウンドなど約30分間で終えた。

練習ラストには大好きなドラゴンボールの悟空が進化する「スーパーサイヤ人」になるシーンを再現。両拳を握って「ハァー！！　ハァー！！」と気合を入れなおしたドネアは「スーパーサイヤ人になるよ」と自信の笑み。「井上の変化は感じているが、自分の変化の方が大きい。食事、トレーニング内容、自分自身の物事の捉え方、思考すべてが変わった。1番は自分の内面。自信を持ってこの試合に向けた準備ができた。今は勝ちたいという欲望が大きい。自分が征服者だ」と胸を張った。

19年11月以来、約2年7カ月ぶりの再戦となる。前回は11回に左ボディーを浴びてダウンを喫し、判定負けしているが「過去は振り返られないし戻ることはない」と前置きした上で「前回の井上戦は、自分の欲を見つけるような試合になった。新しい欲が生まれ、これまで以上に燃えている。今の方が人間的にも良く、より強いボクサーになっている」と自信を示した。

39歳となった世界5階級制覇王者ドネアの目標はバンタム級4団体統一のただ1つ。「それが目的であり、目標であり、モチベーションになっている、井上との試合でベルトを全部、自分のものにしたい」と気合十分。「あらゆる面で自信があるし、それだけのトレーニングをしてきた。戦略的にも肉体的にも自信があり、全面戦争する準備もできている」とスタンバイOKの姿勢をみせていた。