WBAスーパー、IBF世界バンタム級王者井上尚弥(29=大橋)が日本人初の3団体統一に成功した。

WBC世界同級王者ノニト・ドネア(39=フィリピン)と3本のベルトを懸けて拳を交え、2回1分24秒、TKO勝ち。19年11月、階級最強を決めるトーナメント、ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)決勝以来、約2年7カ月ぶりの再戦を制した。

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4団体統一へ、井上尚の次の標的はWBO世界バンタム級王者ポール・バトラー(33=英国)になる。「ベビーフェース(童顔)の暗殺者」が愛称で、ボディーブローが得意な身長168センチの右ボクサーファイター。今年4月、英リバプールで当時の王者ジョンリール・カシメロ(フィリピン)への挑戦が決まっていたが、王者側のサウナ使用による英国ボクシング管理委員会の規定に違反。急きょ設けられた暫定王座決定戦でジョナス・サルタン(フィリピン)を下して暫定王者に。その後、カシメロの王座剥奪を受け、正規王者に昇格した。

英チェスター地区の港町エルミアポートの出身。アマチュア時代の10年には英国フライ級王座を獲得した。プロ転向は10年12月。12年に英国スーパーフライ級王座を獲得し、14年にはIBF世界バンタム級王座を獲得したものの「私の適正体重はスーパーフライ級」と防衛戦をしないまま王座返上。16年途中までは同級を主戦場としたが、同年10月から再びバンタム級に復帰した。現在はドネアと同じ米プロモートのプロベラム社と契約している。