“現代MMAの申し子”の異名を取り、18年からシンガポールの総合格闘技ONEで活躍した松嶋こよみ(29=パンクラスイズム横浜)が、悲願のUFC契約へ向け準決勝へ駒を進めた。

韓国のDouble GFC、Angels FCフェザー級統一王者ホン・ジョニョン(31)を判定2-1で退けた。

大会前には「そこまでガシガシ組みにはいかない」と話していたが、ケージに入ると気持ちは前面に表れた。まさにサバイバルマッチと言える一戦。打たれたら打ち返す、激しい攻防に発展した。打撃をクリーンヒットさせながらも、粘り強い相手に苦戦。3回はふらふらになりながらも、大外刈りでテイクダウンを奪うと、そのままポジションをキープして逃げ切った。

試合後は「ギリギリ勝てたとは思ったが、相手が強い。いい試合だった」と、笑顔。「もっと僕の打撃の距離で戦いたかったが、プレッシャーが強くてこういう展開になりました」と、相手のファイトをたたえながら振り返った。

シンガポールは、1年半前の前戦で苦杯をなめた地でもある。「借りを返しに来た」と話した通り、苦い思い出を勝利の喜びで塗り替えた。

RIZINで活躍する斎藤裕や平本蓮らと練習をともにした。それでも「別に刺激になっていない」ときっぱり。「ただ練習が大好きなので、日々練習することになんの疑いもない。強くなりたいということに関しては、自分のテンションが左右されることはない」と、己のためだけに牙を磨き続けてきた。

20年12月以来1年半ぶりの試合でも、全く物おじしなかった。「昔から見ていた夢の舞台。ものにしなければいけない」。ラストチャンスと位置づけて臨むトーナメントに、一切の迷いはない。