“闘うフリーター”の異名を取ったベテラン総合格闘家の所英男(44)が25日、格闘技ができる喜びを涙ながらに明かした。

31日開催の総合格闘技RIZIN37大会(さいたまスーパーアリーナ)で、現DEEPフライ級王者・神龍誠(22=神龍ワールドジム)との対戦を控える所はこの日、自身が主宰する「リバーサルジム武蔵小杉 所プラス」で練習を公開。20年大みそか以来1年7カ月ぶりの総合の試合に向け「力がみなぎっていて、何より元気です」と、好調ぶりをアピールした。

約9年ぶりに階級をフライ級に落として参戦となったが、相手は現在7連勝中でUFC参戦をもくろむ同級のトップファイター。「本人も言っていましたが、天才なんだろうなと。うらやましい」と、率直な印象を口にした。さらに「いきなり日本で一番強いと言われているフライ級の人とやらせてもらえてテンションが上がる。(同級で)やっている人には申し訳ないですけど、納得してもらえる試合にする」と、全力ファイトで感謝を伝えることを誓った。

不惑を越し、戦える喜びはより一層増した。「昔はきついことをやってもきついと思うだけだったけど、今はこの年齢でこんなにやれている。『普通はやれないよな』と自画自賛している」と、モチベーションは高い。だが、目標は若いころから変わらない。「やることは1つ。矢野(卓見)さんや今成(正和)さんに憧れて、強くなりたいからと…。その続きをやっているだけです」と、タオルで涙を拭いながら話した。

盟友の金原正徳(39)ら、RIZINで活躍する同世代のファイターにも刺激を受け続けている。「昔から一緒にやってきた。僕も頑張ろうと思います」。大会当日、ともに歩んできた金原と勝村周一朗(46)とは「嫌がられなければ」、再び肩を組んで入場するつもりだ。いつまでも夢を追いかける格闘家であり続ける。